4〜6月
ここから海苔作りがはじまります。
この時期にカキ殻種入れやフリー培養などをして海苔の種を育てます。
近年海苔の生活サイクルが 明らかになり海苔の養殖方法がそれに合わせたものになりました。
海苔の葉体から出た胞子は、雄の胞子と雌の胞子が合体して貝殻の中に潜り込み、糸状体となって夏の間を過ごします。
秋になると、この糸状体から無性胞子が飛び出し、それが何かに付着すると発芽して葉状体の海苔に成長します。
また、これから使う道具や機材の準備もします。支柱に付着したフジツボ取りやロープの補修、網の洗濯補修などを行います。


7月
水産試験場の指導員の巡回指導を受け品質向上につとめます。


8〜9月
 8・9月の暑い時期に10月の種付けの準備をはじめます。
海苔網は、漁場の規格に適した整反方法で、30枚重ねにします。
次に、落下傘と呼んでいる種貝(海苔の胞子が 育ったカキ殻)を入れる袋を200から250個取り付け、ロール状にして濡れないように保管します。
9月になると、有明海の遠浅を利用した海苔の養殖を行うため、沖合いに支柱を立てます。
シーズンには沖が見えなくなるほど 漁場にぎっしり支柱が立ち並びます。 漁師たちは支柱立てを「竹立て」といいます。

10〜3月
 冷凍入庫(10、11月)出荷および入札 (11〜3月)

 
苗解禁日の前夜、ロール状の30枚重ねに整反した 網を広げ、あらかじめ取り付けていた落下傘によく湿らせた種貝を1〜2枚入れ、速やかに再びロール状に戻します。
その後、解禁とともに支柱を立てた漁場に張り込み採苗を行ないます。
約2週間かけて5または6枚に網を展開し葉体が2〜3cmになるまで干出時間の調整やポンプ洗浄等によって網を汚さないように管理します。
管理した網は、一部を残して海から引き上げ、生乾きになるように乾燥し、5または6枚ずつ袋に入れて冷凍保存します(保存温度は、-25℃前後)。
冷凍保存する理由は、養殖期間が2ケ月程度になると、海苔が老化し肉質が硬くなり良い品物が採れなくなるため、新しい網が必要だからです。
単(1枚)張りした後、2〜3週間すると海苔は摘採できる長さにまで生長します。
この間は、生長の状況を観察するために各小間を船でまわります。
種付けして約1ケ月、葉体が20センチ以上に成長すると海苔摘みをします。
摘み取った網からは、また芽が伸びます。
摘み取った海苔は機械で細断し、大形の製造、生産機で加工します。
養殖は、3期作で行われ、10、11月の第1期に始まり、冷凍網と張り替え12、1月の第2期、2、3月の第3期で終わります。

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